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仕事に厳しいことと人に厳しいことは違う、という話。(N先輩に捧ぐ)

「あのひとは厳しい」とか「優しい」というのは仕事に限らず人物に対する日常ありふれた言葉だけれど、その厳しさや優しさは何に対して向けられたものなのか、ということを深く考えることはあまりないかもですね。ぼくは考えますけど。

例えばとある会社にとある先輩と後輩がいたとして、先輩は後輩を指導する立場にあるとします。後輩はその未熟さゆえちょいちょい失敗をします。先輩はその失敗の本質を指摘し改善を促します。どこにでもある話です。
このとき先輩は失敗に対して厳しく指摘しますが後輩の未熟さそのものについてははじめから分かっているので特に何も言いません。ですが後輩としてはまあ凹むわけですよね。自分が未熟だから怒られた、という感じで。
夜になると後輩くんは同期の仲間と呑みに繰り出すわけですが、酔いが回ってくると「あの先輩はオレに厳しいんだよなぁ」とついグチがはじまるわけです。同期くんも「わかるわかるw」と相槌なんか打っちゃったりしますがだいたい話なんか聞いちゃいなくてスマホをいじったりしています。ええどこにでもある話です。


さて。


ぼくがまだ社会人になったばかりの頃出会った先輩がいまして、この方が仕事に対してそりゃもうものすごく厳しくてですね。でもその先輩はひとに対してとても優しくてですね。あと、言い訳じみたことは言わないひとでしたね。「ちょっと言い過ぎたけどお前のためを思って・・・」みたいな下手なフォローはまるでなくて、ちょっとくらいフォローしろよwとか思ったこともあったけど、そういうとこがよかった。かっこよかった。

そして我が身を振り返りますと、立場や役割が変わってもその先輩のように仕事に厳しく、ひとに優しく、そういった想いでぼくは仕事をしてきたつもりです。ですけど、ぼくが厳しく接した後輩、あるいは同僚や上司、あるいは(若干の)お客さま・・・その方たちがぼくをどう思っていたかなんてわからないんですよね。

わからないんだけど、


そこで酔いちくれている後輩くん、キミがもしこのモログを見ることがあったらちょっと考えてみて欲しいんだよね。はたしてキミの先輩はキミに厳しいのか、仕事に厳しいのか、どっちなのかって。キミもいつか先輩になる日がくるんだから。


尊敬してやまないぼくのその先輩は数年前事故で亡くなってしまいました。いまでもぼくの目標であり続ける方のひとりです。遥か遠いよ、Nさん。また一緒に呑みたいです。